ヨシコの中国語学習記録

英語上達完全マップの要領で中国語を学習してみる記録

中国語筋トレ100読練習法 本レビュー

中国語筋トレ100読練習法 本レビュー。

中国語筋トレ100読練習法

中国語筋トレ100読練習法

 

実は今年2月に初見で感想を書いていて、その時はそこそこいい本だと思ったこの本。
最近、もう少しきちんと見てみて、「うーーん・・・」と思い始めた。(-_-)
・・・が、レビューを書き始めたら異様に長くなってしまったので、急いでる人(?)のために先に結論を書きます。

個人的にはこの本を100回音読するのはお薦めしません。
でも、使う方法はあると思う。(内容が現代的なので、古い教科書では拾えない単語を拾って行くとか、45の文章が載っているので、1日一つづつ読んで多読の練習にする、等ありと思います)

ただ、もし100回音読するなら、個人的には、中国発行の本の方でやる方がいいと思います。

ではここから個別に細かいお話。

■まずピンインで全文を読む事について。
作者は、とにかく「現地の子供が中国語を覚える際に漢字から覚える訳ではない。音から覚えるのだ。だから我々も音から覚えよう。だからピンインを読もう」という類の理屈を主張しているのであるが、そもそもこの理屈が破綻している。前半はいいけど、現地の子供は「ピンインを読んで」覚える訳じゃないよね??音から直接だよね??
作者の主張をより正確に再現するなら、「CDの音を聞いてリピーティング」になると思うんだが、作者はリピーティングという学習方法を知らないのか、とにかくピンインの音読とシャドウイングばっかり薦めて来る。

どうやら作者は、「ピンイン=中国語の音」と思い込んでいる節があるが、ピンインはそもそも後付けで考えられた「フリガナ」的な表記に過ぎないし、(台湾には別の表記方法がある)、なぜそこまでピンインにこだわるのか、ちょっと理解できない。
(1つ目の文のピンインと漢字をそれぞれ読んでみたけど、ピンインを読むと大層遅い!!無駄に一文字ずつアルファベットを読むせいで、意味も全然頭に入って来ない。)

実際、英語圏の出身者とかは中国語を勉強する時に漢字を全く使わずにピンインのみで勉強していく人がほとんどで、そういう意味では欧米人の中国語の学習方法は作者の主張にある程度添っている訳なのだが、はっきり言って、彼らの進度がとてつもなく遅い事を私は知っている。(-_-)
そして、発音が日本人より正しいという事でもなければ、より話せるという事でもない。数人の欧米系の人の中国語を聞く限り、大抵は極度の訛りがある。(どちらにしても母語の影響を受けるのは避けられない)

なので、ピンインをそこまで推す根拠が非常に希薄だと思わざるを得ない。
まぁ、作者自身のブレイクスルーの経験から、神格化されてるんだとは思うんだけど・・・。

 

■作者は言語学者でも、中国語教育分野の人でもないため、書いてある全てに根拠が希薄。
いやぁ、本文以外に、えらい紙面を割いて、中国語への取り組み方とか、学習方法とかが(ぶっちゃけ、「えらそうに」)書いてあるんだけど、それが結構独りよがり。
(アマゾンのレビューで「自己矛盾に無自覚な独善的な記事が散見される」と表現している人がいたが、まさに!って感じ。その方は本文の記事の事を指していたと思うけど、私個人的には、本文よりも、学習方法などを書いている部分の方がイタい。)
おそらく、自分の経験に基づいて理論を組み立てているんだろうけど、なぜ「日本人にとって一番難しい音はeである」とか断言できるのか、根拠が不明すぎて苦笑してしまう。
他には、「engとongを区別して発音できる日本人がどれだけいるのか?」等、これまた規定の事実のように力強く書いてあったんだが・・・それなりにちゃんと発音を学んでいれば普通にできるでしょ、これ。
個人的には、聞き分けで一番難しいのは、「an」「ang」で、日本人的に発音的に一番難しいのは「u」と「un」系の音(「ku」「hu」「lu」「kun」「hun」「lun」等。「xun」「yun」系は含まない)と思っているため、全く作者の主張に共感できなくて、「この人耳悪いんじゃないの?」とすら思ってしまった。

 

■「20~30回の音読が一番無意味」の主張あり

まぁはっきり言って、一番私を苛つかせたのがこのコラム。
私は基本、音読30回の人なんで。今までの長年の努力をこの本の作者に全否定されるとか、悪いけど、ちょっと受け入れられない。(-_-)
しかも、「30回読んでも暗記できませんよね?」というのがその根拠になっているのが、これまた苛つく。
いや、できないよ、確かに暗記はできない。けどそもそも暗記しようとしてないし、この作者って暗記提唱なんだっけ???一体何のために100回読ませようとしてるんですかね??
(ちなみに、マップ式では、暗記のために音読する訳ではない。非常に明確な理論に基いているので、こんな訳わからん人の主張なんてほっときゃいいんだけど、すごーく神経をさかなでされるんだな。)

特に分からないのは、作者の主張も別に「暗記のために100回読むのだ」という理論ではない(っぽい。)こと。多分。
500回読んで丸暗記、という方法を取っている人が世の中にいるのは知ってるし、「とにかく暗記!口のトレーニングは付随効果。だからまずは100回!覚えない限り、何度でも!!」とかいうならそれはそれで分かるんだけど、この作者が何に重きをおいているのか、どうも分かりにくい。
(熟読してないからよく分からんのは当たり前なんだけど、なんかもっともらしいくせにグダグダした文章を書く人なので、意味が理解できるまで読み込む気がしないんだよね。読もうとすると、すぐに根拠の希薄な理論に行き当たって、「は??何言ってるんですかこの人。根拠は??」と思ってしまうので、読めば読むほどイライラしてちっとも読みこなせない。しかも本文以外の部分だし。
そもそも読む必要のないコラム部分とか前書きなんだからさ、もうちょっとあっさりまとめられないのか。記者の名が泣くぜ)

100回読む事を薦めつつ、30回をおとしめるあたり、やはりムカつく。

・・・ていうか、私は、やっぱり英語上達完全マップの森沢先生に着いていくわ!英語じゃないけど、心だけ。

というわけで、この本のコラム的な文章は読んでてイライラするので、多分今後は読まないようにします。
(けど、めっちゃ多いのよ、コラムが。。1本文につき、1ページのコラムが付いてるからなぁ・・・。下手したら、本文より多いかな。嬉しくなっちゃって書いたんだろうなぁ。)

 

■本文

肝心の本文だけど、確かにそれなりに高度な(というか、多少の書面語を織り交ぜた)中国語が使ってあると思うんだけど、なんか日本人的なんだよね。「日本語から中国語訳しましたね?」という匂いがプンプンする。
対応している日本語文は大人っぽい日本語が書いてあるんだけど、それを直訳しちゃった結果、子供っぽい中国語になってやしませんか?と思ってしまう。
(ただし、中国人には未確認ですので、あしからず。あくまで、HSK5級レベルの日本人のたわ言ですが・・・)

中国人の書く上等な中国語(特に書き言葉とか、カッコつける時の言い回し)って、もっとこう、全然気配が違うんだよなー。選ぶ文の構造が違うというか。
中国発行の物だと、初級のテキストでも「あぁ、こんな文章、自分では絶対出てこないわ」って思う構文が次々に現れる。
逆にこの本の文章からは、どうしても「日本語の文章が元にあって、当てはまる中国語に翻訳しました」という気配が漂う。
なので、このレベルの文章を勉強してる人なら、この本を100回も読むぐらいなら、中国の文章を丸暗記した方がカッコいい中国語がインプットされるんじゃないの?と思ってしまうなぁ。・・・カッコ良さにこだわる人がどれだけいるのか知らないけど。
ただ、現代っぽい話題が多いので、それに付随する単語とかを拾って覚えるには良いかもです。