ヨシコの中国語学習記録

英語上達完全マップの要領で中国語を学習してみる記録

レビュー:学汉语分级读物 「红楼梦1」

さて、春節もすっかり終わり、気付けば3月に突入しておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
わたくしは、春節は実家に戻って日々雪かき(中国語は「铲雪」)をしておりました。そして肩を痛め、ずっと湿布の日々で辛いです。(音読も少しはやったよ)
ところで、春節に红楼梦の1巻を読み終わったので、そのレビュー。
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おすすめ度 ★★★★☆
ストーリーの面白さ ★★★★☆
おすすめレベル 中級~
ページ数 86P
漢字レベル 800
文字数 53000
本文 94P

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これは北京语言大学出版社が出しているレベル別多読用シリーズ「学汉语分级读物」の「第2級」の一冊。
「学汉语分级读物」で日本のネットで検索をかけても全然ヒットしないので、日本で直接手に入れるのはちょっと難しいかもしれない。中国のネットから直輸入だと当当网かな。

product.dangdang.com


最初に一番心配していたのは面白さなんだけど、これが意外な事に、結構面白いのです!
世間では、「貴族の日常生活を描いた本」などと表現されている事が多かったので、権力争いとかばっかりで、だるーい感じかなぁと思ってたんだけど、登場人物もなかなかキャラが立っていて、想像してたよりも面白い!外国人向けに簡単にまとめてあるからかもしれないけど、これなら途中で断念せずに続きも読めそう。

そして、これまた意外だったのが、難易度。
このシリーズは、そもそも3つのレベルに分かれていて、この本は真ん中の「第2級」「800字」というレベル。
外人向けのレベル別読み物だし、難易度「800字」という設定なので楽勝だと思いこんでたんだけど(だって、単語数2500のレベルのHSK5級に一応受かってるし)、読み始めてみると意外と難しい!
そして気付いた。「800字」は、「800語」ではないのだと・・・。(´・ω・`) 
という訳で、語彙数としては、相当あるのではないかと思っている。

何百年か前の生活だから、今と違う語彙や、ちょっと古い言い回し(例えてみるなら、日本語でいう「ござる」とか「殿」とか?)が出て来るので、そのせいで余計に難しく感じるのかもしれない。
そして、よく出てくる表現を無意識に覚えてしまうと危ないかもしれない(笑)
流れで読んでると知らない語彙でも意味がわかる物も多いんだけど、あとで調べてみると、辞書にはばっちり「旧」とか書いてあったりする。例えば「请安」とか。(ご機嫌を伺う、とか、挨拶する、というような意味)
そして、知ってる漢字ばかりなのに意味がわからない言い回しも結構ある。古い表現だからなのか、現代でも通じるのか、よくわからない。
他に気になる点としては、多分簡単に書きすぎてあるせいか、登場人物の気持ちがよくわからないことも多い。突然怒って物を投げつけたり、すごく賢く良い子としてふるまってた子が突然きつーい嫌味を言ったり。
単に「・・・と言った」としか書いてないと、非常に感情が掴みづらいんだよね。
私の中国語力のせいでニュアンスを汲み取れてない可能性もあるんだけど、子供向けディズニー物とかを読んでる時にはそういう感覚になる事がほぼないので、やはり外国人向けの多読本では、深いニュアンスを表現し切れてないのではないかと勝手に想像中。(自分の無能を人のせいにしてる??)

・・・とまぁ思うところはいろいろある訳ですが、やはり流し読みは少し危ない気がするので、今、辞書を引きつつ2度目を読んでいるところ。やはり辞書を引くと、「そういう事だったのかー!」と分かる事も多い。

レベルとしては、今まで読んできた「汉语风」シリーズよりもかなり難しく、800語レベルという表記ではあるけど、HSKのレベルでいうなら、最低でも4級でそれなりの得点を取れるぐらいの人じゃないと厳しそう。5級を持ってる人ぐらいがちょうどかな。
↓中はこんな感じ。

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大河ドラマ的な内容なので、登場人物が多いのも大変 !
↓このような表が最初に付いてたんだけど、しょっちゅう見直してる(笑)
2回めでやっと少し人物の相関関係がはっきりして来た。

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4巻で終わるようなので、全部読み終われるようにがんばろう。(´・ω・`)