ヨシコの中国語学習記録

英語上達完全マップの要領で中国語を学習してみる記録

中国の商業保険の申請の難易度が高い話

中国の会社は平安保険とかいう会社の商業保険というのを掛けているところが多い。
もれなくうちの会社も社員全員その保険が会社負担でついていて、病気で病院に掛かったりすると保険が降りるのだが、これがまた外国人には厳しい。
普通の中国人の会社員は多分大抵は中国の社会保険に加入していて、そこに日本の国保的な医療保険があって、公立病院ではこの保険を使って治療を受けることができ、実費負担になった分が平安保険から出たりする。
保険の適応範囲も割と広くて、条件は、公立の三甲以上(これは病院の等級)の病院で、医療保険カードを使って支払いをしていること、領収書、処方箋、医師の診察記録、薬の明細等の書類(普通の病院なら大抵は勝手に出してくれる)が揃っていれば、風邪でも歯医者でも保険は降りる。
中国人的にはいつもどおり携帯を使って明細などの写真を撮り、アプリでアップロードすれば2〜3日で審査してくれて料金が振り込まれるというシステム。
・・・なのだが、実は外国人にとってはこの申請がめちゃくちゃ敷居が高いのである。
まずパスポートと医療保険の名前が「絶対に」一致しないので、そこで「名前不一致」でハネてくる。なぜならパスポートはアルファベット表記、中国の医療保険は絶対に漢字表記、商業保険は絶対にパスポートと同じアルファベット(しかも大文字表記)という謎ルールがあるせいで、まずは絶対に名前で弾かれる。
次に大文字小文字問題。これは会社の担当者によるのだが、なぜか会社の商業保険が小文字で登録されていたりして、「大文字以外受け付けない」とか言って審査でハネてくる。(なら何故最初に小文字で受け付けたんだ、と思うが・・・)
次に病院の領収書。中国人の名前は姓名込みで通常は2〜3文字、4文字はごくごく少数(諸葛とかが苗字の人で、名前も2文字とか)、他は少数民族とかでも長い名前の人はごく少数なので、外国人の名前のアルファベット表記は領収書で印刷できなかったりする。(ちなみに、私にも少数民族の知り合いが数人いるが、アルファベットで私にはうまく発音できない名前を名乗ってくる人もいれば、普通に漢語の名前を名乗る人もいる。新疆とかの人だとおそらくイスラム圏の名前と思われる名前の人もいた。さすがに会社の同僚以外は社会保険の名前がどうなっているのかを聞くチャンスに恵まれなかったので、彼らにとって名前がどういう扱いなのかは分からない)
例えば、私の領収書に印刷された名前は「○○○○○(苗字) YOSHI」で終わっていたりするのである(この時は病院で確認したが、「印刷では最後まで打ててないけど、パソコン上では正しいから問題ない」と言われた)。
・・・病院では問題なくても、保険の審査ではまた「領収書の名前が本人と一致しない」といってハネられる。
そして、病院に寄っては領収書を勝手に漢字表記に変えて来たりもするので、その場合も名前不一致。
さらに、商業保険の名義と振込先口座の名義が一致していないといけない。私の場合は商業保険は苗字と名前の間に空白なし、銀行口座は空白あり、だ。これも多分「名前不一致」と言われるやつ。

・・・もうね、こんだけの罠をどうやってクリアすんですか、っていう。
なんか手間掛けるだけ無駄じゃね?って思う。
名前問題に超うるさいくせに、統一したフォーマットがないというのは何なんだろうか。
過去の税務署の納税証明の名前なんて、私はすでに3種類もある。このせいで何度税務署に行った事か。。。(今年もまた行かないといけない)
なので、会社では絶対に漢字の名前を書かないことをルールにしている。
一度でも漢字の名前を見せてしまうと、中国人は味をしめて勝手に漢字を使い始めるので、全部の書類が漢字になってしまってパスポートの名前と一致しないという問題が出るから。

そんなわけで、商業保険にハネられたという愚痴な訳ですが、一応会社の人事部は頑張ってくれていたりする。だって絶対に保険がおりないなら、会社側としても保険を掛けてるだけ無駄だもんねぇ。
同僚の韓国人は、漢字とアルファベットの名前不一致問題に関して、会社側が「同一人物証明」というのを発行するという方法で処理しようとしているらしい。
私はどうかなぁ。
入社後1週間ほどで大怪我した時、トータルで3000元ぐらいは使ったから、せめて公立病院で掛かった費用(1000元ぐらいかな?)だけでも出るといいんだけど・・・。

というようなグダグダを周りの同僚に話してたら、最近提出物がほぼ完成して心に余裕のあるモデルチーム(向かいの席の人たち)がわれもわれもと私の隣の席の同僚のところに医療費の申請のやり方を聞きに来た。
隣席の同僚D「キミら、全員保険の申請したことがなかったなんて、金持ちだね!!」
俺「それは違う。これは金があるかないかの問題ではない。問題はダラけてるかどうかだ」
モデル班リーダー「それも違う。俺は単に知らなかっただけ」
・・・モデル班リーダーよ、そんなんで大丈夫か。